BARMANEとRONMADOR ③
料理ドーナツの発見と名付け
ドーナツのお店を始めることが決まって間もない2023年5月、事情を知っていた姉経由で、姉の友人主催で9月に行われるイベントにドーナツ屋さんとして出店のお声がけをいただきました。まだほんの一部の身近な友人にしか話をしていなかった頃なのですが、実店舗オープンまでにドーナツのお披露目をする日が決まり、具体的に動いていく原動力となりました。素材を決めていくこと(味の要)、試作を重ねてレシピを作ること(BARMANEとしても活動するためには、まーさん以外の人でも作れるようにすることがとても大事)、内装のイメージ(色やどこまで改装するか)、販売方法(予約システムなども考慮)、などなど決めることは沢山です。
料理ドーナツのスタイルはレストラン営業を続ける中で思い付いたものです。6月の終わりのある日、試作品のドーナツをいつものように食べようと思った時にふとメイン料理のカブのソースが目に入り、朝食のクロックムッシュ用の豆乳ベシャメルソースと共に付けて食べてみました。
!!!いける!食べかけですが、すぐに写真をひろみさんにLINEしました。反応はよかったです。
これならフムスもいける。盛り付け方は二の次に、食べたことのない味の可能性を探る始まりでした。それは違和感なく美味しいものだし、うちが始める意味があると確信できたので、他には何が合う?とワクワクとしました。
◇
名前については、ラ行な感じがしていたので意識をしながら、新しいお店に込める思いと意味を書き出し、いくつかの言語を調べてピンとくるものに絞っていく作業をしました。結局私たちにも縁のあるフランス語がしっくりと来ました。
単純ですが、”ドーナツ=丸、円、輪 = ron(d) ” ということと、これから生まれる命(お店は子供のようなものなので)の育っていくイメージは “輝いているもの = 金色 = d(‘)or “を繋ぎ合わせて、”RONDORDOR(ロンドルドル)= 黄金の黄金の輪 ” !という少しニヤけてしまう可愛すぎる名前を私以外の2人に投げかけました。ひろみさんが数日間、頭の中で復唱をして馴染ませて、違和感がないかを検証してくれることになりました。その後、もう一度集まった時に、” 悪くはないけど、、、まーさん(BARMANE店主でありシェフ)のMAを入れたい” とのこと。それならば、”RONMARDOR(ロンマルドル)”!決まったか?と思いましたが、今度は私が “MAR” に意味がないのでうーん?と引っかかり、ルを外してみると、”RONMADOR(ロンマドール)”!黄金の輪の中心にまーさんの味がある!それが軽やかにたくさんの人の元へ拡がって幸せの種となる。まさにこれから表現していきたいことと意味がバッチリ重なるし、MAがBARMANEともリンクしているし、これだ!という名前が無事に決まりました。次のお店にはポップなイメージを持っていたので、とてもしっくり来ました。
ちなみに、ロゴ制作はひろみさんが担当してくれたのですが、BARMANEとは違う個性のお店なので、別の角度からの提案を楽しみにして初めからお任せをしました。お店の顔となる大切なものですから、時間をかけてじっくりと考えてくれて、最終的に実店舗オープンの2週間くらい前に完成しました。真ん中のMAが踊っているようでポップだし、BARMANEの太陽の光を表す3つの点を引き継いでくれました。
内装に着手する前に、イベントの準備にフォーカスを。この辺りでドーナツの味とスタイルが確定してきます。
Text : Hisayo